声優魂」大塚明夫著 星海社新書を読んで

「声優魂」大塚明夫著 星海社新書

読みました。

まず、言ってほしかったことで、そうそうとうなずけたことがあって、

120ページ引用
「創作物が人に与える感動の、その本当の正体は謎です。しかし、絵でも音楽でも、優れた作品に通底するのは広い意味での哀しみではないか……私はそう思います。」


この文章が、とても胸をうったのです。
もっとこの段落を読んで誰かと語りたいです。

クライスラーの「愛の哀しみ」はとてもキレイな曲ですが、やはり哀しいとおもうのです。
「愛の喜び」をきくとよけいそう思います。
だから、とても幸せそうなときでも「愛の哀しみ」を弾くと少し自分がいやされるのです。
完璧な喜びはないから。
出会いがあれば別れがあるから。
ずっと一緒にはいられないから。
最初から一緒にいられないかもしれないから。
運命が掛け違えば、出会えなかった。
そしてこれが運命でないかもしれないから。

たくさんの不安や哀しみがあるから、私は「愛の哀しみ」が好きです。


本を読むのも、感動するのも、それを伝えるのも、ある意味哀しみを受け止めなければいけないので、
疲れることもあります。
でも、やっぱり逃げてはいけないのでしょうね。
損得ではなくて、心をころしてはあまりよくないので。

上記の本の感想についてはもっとたくさんあるのです。
今は一番感じたことしかかけなくてすみません。

大塚明夫さんの言っていることはとても当たり前の、人間の心の話をしていると思います。
建前ではなくて、本音で生きることの大切さを言っている気がします。
自分を偽って、偽っていることにさえ気づいていない人の多いことを教えてくれます。